このアルバムには1つのストーリーがある。
そして曲と曲、ストーリー同士を繋ぐ演出としての音楽や街のざわめきを随所に散りばめている。
“OPERA”の世界、主人公のいる場所へみんなを導くためのOVERTURE(序曲)でスタート。
「Dance With Meと対になる楽曲であり、初めからアルバムの始まりを告げる曲と決めて書いた。
間奏の物語の始まりを告げるような語りが、アルバムに収録されたことで更にグッとくる。
よりスピード感のあるAlbum ver.のミックスも聴きどころ。
コウキが書いてきたものに、俺がサビのメロディを書いた合作。
OKAMOTO'S流ロックとダンスのいいとこ取りなナンバー。
レイジの打ち込んだビートとハマのピックベースも冴えている。
ある夜、コウキがこの曲の歌詞を俺に送ってきて、こんな歌を思いついたんだと言ってきた。
ダメ男な主人公の人格を表す、アルバムに欠かせない一曲。
コウキが書く曲はみんなの楽器が活き活きと鳴るから気持ちいい!
ギターやベースを使わない、ほぼコーラスのみのナンバー。
エキゾチックに、かつドリーミーに、夢の中へ落ちていくシーンを描いている。
このアルバムの中では一番面白いコードとメロディになった。
ゲストボーカルであるUCARYの声も素晴らしい!
The Whoの「TOMMY」では、主人公が幼い頃のトラウマによって喋れない、
見えない、聞こえないという三重苦を抱えてしまうという背景がストーリーの軸にある。
それの現代版として俺が思いついたのが、カギ、ケータイ、サイフを失くしてしまうということ。
たったこれだけのことで、今まで自由に繋がっていたものから断絶されてしまう…そんな出来事を歌った曲。
OKAMOTO'Sとしての新境地へたどり着くべく、ジャンルを超えたリフやメロディをこれでもかと混ぜたが、曲の混沌具合とは間逆にポップなナンバーになった。
曲より先に書いた歌詞を気に入ったハマに、テーマやサウンドを全て任せた曲。
結果、久々に4人のセッションから生まれることになった。
今や俺達には欠かせない斉藤有太氏のクラビネットと相まって最高にノれる、
OKAMOTO'S解釈のファンキーなナンバー。罵倒や、癇に障る声は友達に協力によるもの。
去年の秋に録ったこの楽曲をストーリーに入れ込むのには苦労した!
きっと、その頃からこのアルバムで伝えようとしているメッセージへと少しずつ向かっていたのだろう。
自分でも驚くほどアルバムにぴったりハマったこの曲は、
シングルで聴いた時と少し違う魅力も引き出せていると思う。
ここまでスローテンポな曲とがっぷり四つ組んで向かい合ったのは久しぶり。
藤原ヒロシ氏のバンドで一緒にプレイしてきた付き合いの長いINO hidefumi氏と
ようやくOKAMOTO’Sでの共演!
ここまで濃い曲目白押しできただけあって、バラードが染みる。
初のコウキフルボーカル曲。前回一緒に歌った「夢DUB」に引き続き、
コウキの持つこういう空気感は俺には無いものだから凄く心地いい。
主人公を励ますような歌詞を書いて!と要望を出したところ、素晴らしい歌詞を書いてきてくれた。
冒頭の架空のラジオ“FM OPERA”以外俺がなにもしてない唯一の曲。
「HEADHUNT」もそうだが、この楽曲も映画のテーマソングとして書き下ろした作品にも関わらず、
ピッタリとアルバムにはめることができた。
こういうストレートな曲があるとアルバムが引き締まってくれていい。
アルバムミックスはDr.kyOn氏のオルガンと、東京スカパラダイスオーケストラの谷中氏のバリトンサックスの音量を上げて、より疾走感を増した。
どんなミュージシャンにもあるであろう、自分の求める理想像と、
そんな姿と関係なく自由に音楽を鳴らしていたい欲求のジレンマみたいなものが心のどこかにあった。
この曲はついにそこから突き抜けたように思う。
無国籍なリフと激しい打ち込み、そこからのパッと開けたサビへの展開、
どれもチグハグなはずのものがピッタリと合わさった。
途中に入るドアの閉まる音も、歌詞の世界観とバッチリ。
ジャンルを飛び越えたお気に入りのナンバー。
レイジがある日聴かせてくれた、バンドと関係なく作ってきたトラックに俺のメロディとリフを載せた曲。
「これがOKAMOTO'S!?」と自分達までも疑ってしまうほど異端な存在。
ストーリーという背骨があって、主人公の心情に合う曲となると、こんなサウンドもバッチリハマる。
主人公のダメっぷりさが痛烈な歌詞も書けた。
このアルバムでは、実はメロディを歌っている場面が極端に少ない。語りとも言えなかったり、
ラップとも呼べなかったり、ストーリーを伝えようとしていたら自然とこんな歌が増えていった。
マニアックな話をすると、この曲は全弦D♭という普通ではあり得ない変則チューニングで作った。
元のアレンジでは、キラキラしていて明るい所謂“OKAMOTO'Sらしい曲”だったのだが、
アルバムに向けてもっと暗いアレンジにしたらどうか?という提案からこうなった。
冒頭の沈みきった音は、俺のリアレンジを聴いたレイジが自宅で演奏してくれたもの。
曲順も最後までみんなで迷ったが、完成したものを聴いてここで間違いなかったと確信した。
ラスト前を彩る必要不可欠な一曲。
4人から生まれたこの歌詞は、一曲に収まりきらないほど膨大な感情やイメージを含んでいた。
俺は刺激され、この曲を聴いてから頭の中に色んな音が溢れ出した。曲や歌詞をいくつも書き、
物語として繋ぎ合わせたのがこのアルバム。